長年使っていたEPSON LP-S5000が、異音とともに寿命を迎えた。 モノクロ主体で時々カラーという用途には十分応えてくれたが、さすがに20年前の機種。不満も多かったが、それ以上に「よく持った」というのが正直な感想だ。
ただ、A3レーザープリンターは大きく、重く、設置の自由度が低い。それでも、名刺やポートフォリオ、各種サンプルを自宅で出力できる利便性は捨てがたい。仕事道具として、買い替えは避けられなかった。
今回の選定で重視したのは2点。 「発色の良さ」と「厚紙対応」。 加えて、デザイナーとして無視できないのがPostScript(PS)対応の有無だった。
最終的に選んだのは RICOH P C6000L 結論から言うと、RICOH P C6000Lを選んだ。 最後まで比較していたのは、FUJI XEROX DocuPrint C3450dII。この2機種で約1ヶ月悩んだ。
実際に出力見れたらよかったんだけどなぁ…と思いながら、スペックとレビューをひたすら見比べる日々だった。
デザイナーにとってのPostScript問題
一般的なプリンター選びは、速度や用紙サイズ、ランニングコストが軸になる。 しかしデザイナーの場合、それに加えてPostScript対応かどうかが重要になる。
PostScriptはAdobeが開発したページ記述言語で、IllustratorやInDesignのデータを意図通りに出力するための基盤だ。印刷会社のRIPも基本的にこれを前提としている。
C3450dIIはPostScript対応。 一方、PC6000LはPCL6が標準。
この違いが最後まで判断を迷わせた。
PCL6で実務は成立するのか
結論として、日常業務の大半はPCL6で問題ない。
カンプ出力、社内確認、プレゼン資料、サンプル制作。これらの用途において、PostScriptが必須になる場面はほぼない。PCL6でも色再現は十分に実用域にある。
PostScriptが真価を発揮するのは、最終出力や厳密な色管理が求められる場面だ。 しかしその領域は、印刷会社や印刷通販に任せるのが現実的でもある。
つまり 「確認・提案は自宅プリント」 「最終成果物は外部出力」 という役割分担で成立する。
Mac環境と色管理
使用環境はMacBook Pro(M1 Pro)、モニターはP3-D50でキャリブレーション済み。 この前提で問題になるのが、プリンターとの色整合性だ。
C3450dIIはPostScript対応によりCMYKベースでの制御がしやすい。一方、PC6000Lはドライバー経由での色管理になる。
ただしカンプ用途であれば「視覚的に近いこと」が重要であり、厳密な一致は必須ではない。色校正レベルを求めないのであれば、PC6000Lでも十分に機能する。
それでもC3450dIIが気になった理由 正直に言えば、最後までC3450dIIには未練があった。
PostScript対応、CMYK管理、印刷会社と同じ言語で出力できる安心感。 デザイナーとして「正しい選択」に見えるのは明らかにこちらだ。
ただ、実際の業務フローとコストを照らし合わせると、過剰投資でもあった。
PC6000Lを選んだ理由
・最終出力は印刷通販と分業する前提 ・価格帯に対する完成度が高い(約55,000円) ・Mac環境での安定した運用
PostScriptは確かに有用だが、すべてのデザイナーに必須というわけではない。 重要なのは、自分の制作フローに対して適切かどうかだ。
1ヶ月悩んだ末の選択だったが、結果としては合理的な判断だったと思う。