クライアントからいただいたテーマは 「男性ファンに向けたデザインにしてほしい」 というもの。
これを受け、可愛らしさやポップさを極限まで削ぎ落とし、深遠な漆黒の世界——いわば “暗黒の中の暗黒” を目指したグラフィックのアプローチをとりました。
デザインの核となったキーワードは、アルバムタイトルにも刻まれている 「×(掛け合わせ)」 です。
ライブという空間は、バンドからの一方通行ではなく、ステージとフロア(観客)との間で繰り広げられる濃厚な「対話」である——。そう仮定した時、両者の情熱やエネルギーを繋ぎ止め、化学反応を起こす「仲介役(媒介)」となる存在が必要だと考えました。
「×」というシンボルを単なる記号として捉えるのではなく、異なる熱量が交差し、増幅し合う“触媒”として視覚化。重厚でソリッドなモチーフと、圧倒的な闇の奥行きを掛け合わせています。
また、タイポグラフィにも強いこだわりを込めました。ロゴタイプには普段よく使用するゴシック体ではなく、**「明朝体」と「手書き文字」を敢えて採用。洗練された鋭さと不均一な生々しさを交錯させることで、画面全体にピンと張り詰めるような「緊張感」**を出しています。